3月号の同人の方の句をアイウエオ順にア~サ行まで掲載します。タ行からは2に掲載しています。
浜 松 伊藤 三枝
拝む初日窓いっぱい春のひかり
今朝も青空小豆粥で足る暮らし
小さな目白もうすぐ鳴く春
日向ぼこ見ぬ振りで通る野良の黒
邪気祓う柊の香浴び行く病院
桜の枝みな上を向き春待つ形
浜 松 大内 愛子
干支生まれどんな余生となるのやら
神棚に柏手打ってあらたな誓い
一人居にポインセチアは励ましの色
椿我が家の庭も華やいでいる
今夜も月はまんまる閉めかねる雨戸
東 京 大川 崇譜
渡海に吹かれて根も持たず
どかない冬恋したんじゃないの
ぬいぐるみ贈る涙拭くタオルがわり
誰かの為重くありテープカッターに生まれたら
降車ボタン先越されサザンカのほうへバスの傾く
YouTube1本程度の落ち葉掃き集めた時間
出涸らしの昨年を飲み下す
香 川 大西 節
祖谷蕎麦がほしい雪の峯深い谷
おぼつかない足取雪の峠のぼれず
藁でしばった白菜畑に眠る
電線時に烏またがってはばたく
峠道往来消えた歳月雪舞う谷
雪雲が舞う小さくなって山茶花掃きよせる
正月短い日暮れ昭和の歌うたっている
東 京 加藤 晴正
待っても来ない昨日を待つバス六郷土手行き
後悔の昨日に空砲を撃つ
唐突に巨大なビルだった
欠けている土団子手に包んだ
歩けない一歩が前に進んだ
妹の家で車椅子を見る
あんなに小っちゃい富士山に鉄色の川面
東 京 上塚 功子
月なき師走木星の輝き全天一
大晦日蜂蜜レモン入り紅茶でほっと
柚子ひとつ分の願い湯船に沈める
フリーズドライ七草粥ふつふつ上弦の月
外国人べらぼう仲見世抜け薬研堀七味屋へ
夫のかじかんだ手包むまだ大寒
一月カレンダー書き込んだ予定とにらめっこ
福 岡 河合 さち
心躍るも初日の出祈る深く
二日目は鴨鍋十人前鍋底食べ尽くす
真っ白山茶花今年も会えた春もまた
食べて喋って後期高齢いとこ会今年も安泰
写メールの富士山お見事お年玉貰った気分
左足の薬指にしもやけ右足で踏みつける
年中さんの書き方教室はせりなずな春の七草
川 根 小藪 幸子
バス通学の子供達通らない道は風穴になった
もやもや気分ほどよい風が連れてった
娘が帰ってくると目を凝らして待つ老婆
急がないのに追い風背を押して早足前進
今置いた物が消え探し回る一日
むくっと土を押す福寿草まだ早いと霜光る
香る蝋梅に目を細めた亡き母に一枝瓶に挿し
福 岡 清水 伸子
あの日あまりに多くの死珈琲で気を静め
地形を変えた地震大根寿司作れないと従妹たち
孫別々にやってきたお日様照り新年
一月娘と観る博多座心楽しく秘めている
純白の障子目にしむ句に向かう姿勢
雪やんだ庭ジョービタキ来たよ子の声する朝
逗 子 杉本 由紀子
冬の太陽につつまれている
120円のコーヒーで素に戻る
アリとキリギリスあたしはキリギリス
宝くじ売場ののぼり旗フッふわ
スクランブル交差点でずっと迷子です
バスはちょっと偉そうに左折した
冬の星ポロポロ音色奏でてる
武蔵村山 千田 光子
希に見る日本中の雪景色
初詣でちゃらついてる少女達も手を合わせ
団地の人々おめでとうの言葉なく
病院より帰宅心配そうに顔見る兄
窓際は布団干さずも光差す
出すんじゃなかった年賀状
テレビ付け人の声聞く
5月号作品より
浜 松 安達千栄子
セーターにサヨナラ春の音が聞こえてる
もうすぐ桜咲くよ父と話した病室の窓
新しいスマホにため息店員が神に見えた日
進級祝いは好きなもの食べられる券
若く見えるねと言われる年となり
訳もなくざらついた三月やっと終わる
桜のつぼみもまだ堅いがよく似合う卒業式終わる
浜 松 伊藤 三枝
菜の花抜けて風高く干す洗濯物
最後と思いつ雛の眼ざしに揺れ
大安だし桜餅もって会いに行く
なんとも楽しそう雀春のトーンで
春朝卵ふんわり暖か色
参道出店は昔今キッチンカー
香 川 大西 節
山裾を行く日射しやわらぐ猿の声
草の根からむ土蛙もう春ですよ
膝にまつわるペンペン草かなでる
肩ふれあうた通学路朝日さす
朝市のざわめき納得の値をかゝげ
雨にかわるうら庭蕗のとうほろほろ
峠を越えて来た荷台椿ぬらし
東 京 加藤 晴正
大気の青さをゆっくり飛行する
桜死んでいった母の四月
手を合わせれば墓煙る
三ページぐらい読んで座っている
クロード・モネの光探して窓を開ける
西日さして玉ねぎいたまる
今日は昨日をくり抜いてみた
福 岡 河合 さち
ミモザ植え高校生になる孫の成長をみる
空港手続き孫に任せイチゴのお菓子お土産に
(千葉五句)
孫とディズニー春陽浴び九十分待ちもまだいける
ディズニーの夢追う孫と一万九千步
鉢植えニョキニョキチューリップの葉ワクワク
突然バラバラ霰と春雷に怯える一年生
まだ明けやらぬ内から子育て奮闘記娘へエール
川 根 小藪 幸子
やっと咲いた福寿草お日さまと笑ってる
鶯鳴いても外は冷たくスト-ブと仲良し
蕗のとう熱々天ぷら五感冴えてぱくり
霧はれて山大きく背伸び野良ネコも出てきた
むっくり土膨らんでわらびの根動いてる
雨上がり松の先に白玉薄陽に光るを手のひらに
畑耕す土のにおい自然に溶け込むひととき
福 岡 清水 伸子
早春の明るさすぐやってくる祭りどんたく
お稽古から帰った子のマフラーに雪
手編みセーター送ってくれて友はホームに入った
水豊かな池鴨の一羽自由自在
さまざまなことあって長夜老いた猫と私
ホクホクになるお芋甘太くん買って冬終わる
逗 子 杉本由紀子
夕日もひとつ私もひとつ
三月雨悲しみ全部流せ
桜パラパラ咲いて手をたたく
サイダーの波春の知らせだ
そんなろくでもないニュースショー
サクラサクサクサクラサイタ
赤い椿白い椿お庭に仲良く咲いた
武蔵村山 千田 光子
四日分の洗濯物干しお天気良くほっとして
昨日は雪今日は晴れ兄留守私にとってべスト
名もなき国民の為議員先生達頼みます
今の幸せっぽい日本国悪くしないで
我家は母の着物を売り生きのびた(三月十日)
パッチワーク習いたいと言ったら母激怒