各地俳況2

 海紅社句会レポート        石川 聡  
今月は私含め6名の参座がありました。お一人一句ずつ紹介します。

蝉濁点で都市削る           すすむ
・蝉はミンミンゼミに思える 
・「み」に濁点を付けた印象で、漫画的面白さがある
・蝉をうるさいなど直接的月並み表現ではなく「濁点」とした所も、「都市を削る」の結句も独自性が光る等の感想でした。作者は小さな蝉と大きな街の対比を意図したという事です。

人がポツポツ境内で日暮れ       マヒト
・「ポツポツ」と「日暮れ」が響きあっている
・一見、まま句(詩情が伝わらず、状況説明のまま終始する印象の句)
だが、実は違う

・「で」が効き、 作者も境内にいる詩情が伝わる
・ぎりぎりまでそぎ落とした表現
等の感想でした。作者も「で」は考え抜いた末に選択し
たという事です。

ホースぶん撒くホルモン屋おんな喜寿らしい こ う
・助詞がなく無駄が無い
・「ホースぶん撒く」が、ホルモン屋の気取らない雰囲気にぴったりで夏らしさも出た
・「らしい」は取れるかも
などの感想でした。作者から、本来もっと長かったがこれでも相当削ってこの形に落ち着いたとの自解がありました。

空蝉に入れた小指の腹に天         聡
・動作がきれい・空の綺麗さまで出ている
・空蝉に光が反射するイメージ
・小指なのが良い、人差し指等では駄目
などのご意見いただきました。空蝉にの内側に小指の腹が触れた瞬間に、蝉が飛び立った空間とその先へ続く天のイメージを詠みました。

水を紫陽花にゴーヤに茄子に等しく水を撒く  唯 人
・水は意図的な二度使いだろう
・季語「紫陽花・ゴーヤ・茄子」と並べたボリューム感に二度の「水」でバランスをとっている
・「等しく」まではいらないのではないか、
との意見がでました。作者は「等しく」に思い入れがあるので残したいとのことでした。

道まっすぐ太陽の上の信号機、赤         由 紀
・視線の逆転に意図を感じる
・太陽より上に信号があるから夕暮れだろう(それがよい)
・読点の効果はどうなのか?
などの感想疑問が出ました。作者は、まっすぐの視線に対する「赤」の現実味をより強調する意図で、読点を使ったという事です。

海紅五人衆