各地俳況

  【各地俳況】

 かみなり社句会(宇都宮)八月六日       西方寺
白い蓮の花開いた音色さわやか           黒山人
二十歳のたまニャオのひと声息引きとる       義 司 

 偶会(横浜)   八月六日
噺家の汗を視てはなし流す             操 子
炎天の小噺顔の溶けだす              こ う
あなたのやわらかいかさぶた雨はがしてく      崇 譜
海も顔洗って出直して来る             ゆきこ
                  (吉明さん帰る)
絞り言い訳しぼり真夏のチュウハイ         聡
原爆忌夜明け前からセミだ             耕 司 

 海紅社句会(東京)八月十九日        上馬地区会館
八月の山の信州の南                こ う
ひとり手酌の盆だってある             直 弥
十センチ四方海テリーヌ              すすむ
トラじゃなくても溶けていく            崇 譜
薄い板なの中年計                  聡
満員電車季節外れな花々紛れている         ゆきこ
戦争知らないと嘯いた子も老いたり八月十五日    唯 人

 阿良野句会(浜松) 八月二十一日佐 鳴台協働センター
ああ停電冷蔵庫の中大丈夫か            千栄子
平凡にこの夏も過ぎ川の風             三 枝
送り火孫小さな手合わせている           加 代
政界のごたごた風蘭清く正しい白          ふ み
あこがれの毎日が日曜日することがない       侑 子
恨みつらみ弾ける老兵平和の末路          ゆかり 

 横浜句会(横浜) 八月二十六日        平林居
「西藤くん、夏、終わるよ」駆けていった      こ う
夏燦燦ぐんと伸びる鉄骨              すすむ
花の顔面惑い汗拭い(マルチンボルト展)      直 弥
どろどろと夏の影が溶けていく           ゆきこ
父は父のまま散り夏のお祭り            吉 明
雨つづきサルスベリのしぶとさを見た        耕 司

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一碧楼「空山空谷帖」から
      なしを食うてやさしい悪者でした     一碧楼