各地俳況

3月号より

赤壺詩社 新年句会(倉敷)一月六日 於 清香
野鳥三身頭前後ろ仲良し               あきら
紅白も花火もどこかのことシップはる         順 子
水音たえずひとくち新しい年             多計士
見上げれば嬉々として生きる人々天井画        幸 子
春と秋がなくなって冬霞               きいち
冬晴れに雲の平行線果てもなく            知 子
まぎれて露地へやぶ椿三度             としかつ
箱根駅伝一喜一憂テレビにしがみつく         秀 子
ついてくる盗人萩の花よ恨めし            史 朗
たけのこ食べる孫の背丈また伸びた          鈴 子

 

さん橋句会(逗子)一月十二日逗子市民交流センター

◎連想句会
踏切で圧倒的な質量に引き込まれる          清 仁
急いで渡るぞ踏切                  夕香里
ふぁんふぁんふぁんの音足取り早まる         由紀子
空を仰いで待っている                のりこ
愚直質量蒸気機関                  清 仁
量り切れない気持ち                 夕香里
どちらに傾いても自分                由紀子
軸か根か風の向くまま                のりこ
◎句会に持ってきた一句
カラスに心見透かされている             清 仁
障子貼り替え子らのケンカ思う            夕香里
冬枯れ里山ゴトンごとん               のりこ
壊れたおもちゃのような秋              由紀子

阿良野句会(浜松)一月二十日    加代居
パジャマ新調朝までぐっすり             美代子
時代遅れのダンスと共にトランプ登場         千栄子
干し芋切り干し大根からっ風の恵み          加 代
子や孫と絆深める年初め               愛 子 

しらさぎ句会(東京)一月二十・二十一日 テレ句会寒牡丹添えラインで年賀ご挨拶            功 子
手袋とオレンジ色の毛糸帽東京冷え込む        通 子
孫初試練に臨む揃って道真公へ合格祈願        さ ち
歴代総理超えた自慢の予算案百十五兆          毅

 

5月号より

赤壺詩社句会(倉敷)三月三日児島市民交流センター
早朝の味噌汁今朝もおいしい              あきら
ドリ・カムをうたう舞台手拍子合わす婆          順 子
寒い朝音なく落ちる赤い花                多計士
ふうまんふたつもらったあたたかな午後          幸 子
赤南天ヒヨ鳥が食べつくす                きいち
さえずりで眼をさますあゝ老年期              知 子
砂丘にて我飲みすぎて蟹と戯むる            としかつ
体当たり歓声響く国技館                  秀 子
もういらないが捨てられない記憶               鈴 子

さん橋句会(逗子)  三月九日逗子交流センター

◎一人一句
菜の花湯掻き早春の食卓                のりこ
一瞬ではじけた孫の笑顔                   潤 一
月つきまとう部屋の中まで                  清 仁
同窓会のように集う送別会                  夕香里
悲しいことまあるく寝る                   由紀子
 ◎連想句会
夕掛けページェント自分の背中を見ている           清 仁
おんぶされて眠るしあわせの中            夕香里
背中のぬくもり忘れない                由紀子
父の背中で海水浴忘れない               のりこ
母のしょんぼりした背中切ない                潤 一
写真の母に叱られる幸せ                   清 仁
一緒に撮った写真は最後の一枚                夕香里
いろいろな物語おしゃべりしている            由紀子
それぞれの物語が続いてゆく               のりこ
人に語る物語無いけど幸せ                潤 一

 阿良野句会(浜松) 三月十七日     加代居
なかなか句ができない早めに寝よう          美代子

大きな山火事起きても花は咲くんだな         千栄子
玉葱畑すっきり夏野菜の出番です           加 代
花時のハウスをのぞき心も春めいて          愛 子

 しらさぎ句会(東京)三月二十・二十一日 テレ句会
春雷霙から白銀の世界さっと消える          功 子
みんな帰っていった春陽に干す布団           通 子 
三月の雪一歩も出ず一杯のコーヒー           さ ち
独裁者が独裁者と詰る言ったもの勝ちSNS時代        毅

 サザンカネット句会(東京)三月二十三日
         渋谷区文化総合センター大和田
わたしの密かな友達の友達が主人           きゃさりん
ツタバウンランと四捨五入してゼロの雪          崇 譜
ひと知れず消えてゆく画家の細君             吉 明
バベルのおふくろに天かすな苦戦かいやぐら         とつき
ひとり息子マスオさんになると大晦日             凛
晴れた真っ昼間の大炎上むらさき木蓮                   聡
クルクルってくるくるってまんさくほどけだす         はるか
見忘れた桃の花見に行こうか足袋脱ぐ日も近いんでね      耕 司
ぽくぽくぽくぽく蕗のとう 春より              ろ こ
銀鼠の月はドブに捨てておくこと               耳 彦
Y字路に落ちる夕                         ポピー

 

5月号より