赤壺詩社句会(倉敷)四月三日 於宇頭間公園
近くの小さい公園ですが、月曜日ということもあり赤壺独り占めのお
花見句会でした。濱田史朗さんを迎え食う会も少し真面目にやりました。
菜の花漬け婆の片隅に盛られ 節
春を分ける雨野菜たち あきら
山桜一本の映え雨上がりの霧 順 子
凪ぎ渡る海の色も桜色 多計士
春風一瞬故里をはなれた日のにおい 幸 子
今宵酔う酒がない きいち
猫三匹残して逝った春彼岸 知 子
春うららゴルフコースにヌートリア としかつ
雨がやみ靄立ち上がる里 洋一郎
あ!春雷軒にかけこむ先客あり 秀 子
この人笑えるんだ少し好きになる春 史 朗
集って今日の日山笑う 鈴 子
横浜立弓庵句会(横浜)四月十六日 幸ヶ谷集会所
一本の夜桜散るまたの世 真 治
若い午睡の緑の眉毛 紀 子
つるばらの白いカーテンを猫くろしろ 聡
このようにして死んでゆくのかとふと思う 空心菜
ひらひらちぎりえちりいそぐ 吉 明
遊歩道にも赤い花咲かせた横浜緋桜 耕 司
阿良野句会(浜松)四月十七日 加代居
ハイトーンで挨拶やっと返事 美代子
高そうな犬三頭満開の桜の下 千栄子
散歩の道連れ鶯鳴き出した 加 代
障子の貼り換え四方八方の明るさ 愛 子
しらさぎ句会(東京)四月二十、二十一日 テレ句会
四十雀の囀りと共にラジオ体操 功 子
カッコー鳴いたか雪は消えたか浅間山 通 子
老いても一輪野すみれのようにすくっと さ ち
つくしんぼをデッサンみどりがかったいろでした 毅
サザンカネット句会(目黒)四月十五日中目黒住区センター
千代抱くと誤変換されしも葉はみどり 色 正
おそるおそるふんぞり返るトルソだらけの砂場 とつき
仕事終えて無口の始まり 凛
赤でも紅でも朱でもない大きな木瓜だ 耕 司
いちぽかにぽかぽかあくびの単位 崇 譜
足湯のように空とけてそよかぜ 聡
雨は闇雲に問いかけ続けている 耳 彦
雨の中 傘をさしても変わらずにあらゆるものがまた濡れて
いく 啓 斗
真夜中に哭いて尖れる犬歯かな 叶
さん橋句会(逗子)四月二十二日 逗子市民交流センター
田越川どんより赤信号渡ります 吉 明
つばめの子縦横無尽に渡る交差点 由紀子
園児バイバイ迷わぬ道 のりこ
ひよこ歩ってる黄色い帽子 夕香里
おそろいの小さなTシャツくっつく 清 仁
指環おそろい銀色のひとつ外す 吉 明
母の指輪の石の意味 由紀子
ストーンパワーに守られて のりこ
ひとつふたつみっつならべてガタンゴトン 夕香里
石段十段 乳酸 清 仁
八重桜段々ひと老いてゆき 吉 明
恥ずかしかったから花びら少し色濃くピンク 由紀子
独り散るフラワーセンター のりこ
すいこまれてゆく桜吹雪に 夕香里
タンポポの百年ハルジオンの吟侍 清 仁
海紅ネット句会(俳三昧)四月
夜ごはん終わる二人に静かな隔たり 吉 明
満月のほとり団欒の影 秀 雪
鎖骨の窪み≒水たまり 聡
咲いて撮って散るを見ただけの春 幸 三
胸底へまっすぐ射す夕桜 はるか