海紅俳句 2

3月号タ~ワ行の方の作品です。
ア~サ行は「海紅俳句1」にあります。
              牛 久  高橋  毅
口先の安倍曰くアンダーコントロール
朝市のおばさん無事か燃えちゃった輪島
法に基づく脱税民は諦念天怒る
法治国家日本国会笊法造りに余念なし
立派なルール守らないダイハツ
政治に金がいる国民喰うや喰わず凍えてる
政治屋さん大地に根の政策を

              東 京  中塚 唯人
有馬記念名勝負令和五年「戦」を締め括る
カウントダウンにジャニーズがいない不可解なり
アロエの三角冬雲つつく雪だけはご勘弁
誰も来ない神社もあって紅白梅の咲く
足を傷め歩けなくとも腹の減りほろへる
 岡山二句
蝋梅咲いて備後の春は早いお目覚めで
夕日に赤く塗られても一碧樓の碧き冬海 

              浜 松  中村 加代
新年穏やか明けた途端の大地震
松明け又独りになった蝋梅香る
孫の好物厚焼き卵レシピは甘め
おひねり舞った子供歌舞伎の三人吉三
新玉葱届いた春の味シャキッ           

              倉 敷  原  鈴子
あす入院何も持たない冬すさぶ
全く最新のことばに迷走瞑想
若い医師に今日を任せる寒椿
冬草ひらたく絆を信じる
風になびく芒の穂フラダンス
畑土ふんわりスズナすずしろ
枯葉ふかれて鳥になりたがる
              横 浜  平林 吉明
老人ひとり池のほとり
各駅停車の冬に乗る
小さな乳房の主張するおんなの強情
夫婦喧嘩お箸とお椀とお正月
明日の来る感じのしない明るさ
ぬかるんだ冬の雑踏それぞれ残党                       

              西 宮  松田 寛生
乳房の黒揚羽の呼吸する
冬蝶の死は燃えるゴミ
口開けて野鼠が死んでいる
神童と呼ばれし父を風呂に入れる
乾眠のクマムシは蝶の夢をみる
大寒の猫のふぐり縮む
考え事をして雪の終着駅 

              周 南  三戸 英昭
山茶花の花びら風に舞い上がる
二人りで座るベンチに雪の華
風寒く二人で巻きたり君のマフラー
芝居観て帰る夜道の風寒し
首垂れて帰る野道の落ち椿
冬枯れの座るベンチの冷たさよ
夢語り二人で歩く並木道かな       

              福 山  無   一
さにだらしなく鼻水
うずくまるように凍死した小蜘蛛をゴミ箱
拳ほどの石がわざとらしく車道
たき火の香ばしく氷雨
偉そうな家やらマンションやら増えてゆく
店主と客の女の話が終わるまで待たされる
なんと昔住んでいた地域でも大麻の事件 

              横須賀   森  直弥
北風か山もうずくまる
ほろ酔いに沁み入る白湯
曇天に梅わらう
              岐 阜  森     命
掃除のあと手品の如く出たなカメムシ
止まり木なくば肩を貸します元日の鳥
この部屋の此処カレンダーの適材適所
明けて窓見る子の顔雪ダルマに足らず
能登の寒い冬時をかまわぬ政界の混乱
おかわりします初観音の甘酒を
雨できた大寒眼鏡買い替える 

              東 京  吉川 通子
記憶あとかたもなく裸木の整列
今日が終わるグランドの向うの夕焼け
マフラー取り出す今朝一際青い空
哀しい顔だったかどこかの子犬が寄ってくる
西へ向かう鳥の列世田谷の空
苺のケーキ二つ一つ歳をとる
真っ直ぐ上がる煙り今日も働いている

              山 形  若木 はるか
霜の朝わたしの輪郭を質す
雪降りしきる紅いサザンカ白いさざんか
ジムノペディ粉雪ずうっと昔のある日の午後
三時は夕方北国の冬
路面きらきら凍る夜の街灯
雪だるま笑っている雪の消えた庭
もったいないこと捨てられないことあなたを縫いとめる針

 

4月号作品
          牛 久  高橋  毅
わが来し方明日三月十日な
民俗空想の旅飯田線の駅の数
政治倫理審査会終わる人倫の貶められて
人倫に悖ること甚だし因って世の中乱れる
国会中継見る無い物ねだり神のみ言葉
早くなったり遅くしてみたりの開花予想俺たち困惑
蝦蟇君どうした啓蟄疾うに過ぎたのに

                                      東 京  中塚 唯人
雨も晴れも受け入れて後期高齢者の霜朝(自祝)
山椒の芽が出て竹の子に会いたいとさ
長命寺の桜餅は葉っぱも食べるんだっけ穂さん
尾張屋の天丼ふたから尻尾食み出て江戸っ子でえ
娘が嫁に行ってもお雛様出しているのが嫁さん
サギ草の球根十ほど埋めて孫と我が家のお庭
 

          浜 松  中村 加代
蕗味噌は手作り味わって夕餉
水仙大きく描いて絵手紙の春
春うららミモザ抱えて友が来た
陽ざし春めいて利休梅は楚楚と
髪結えない力士盛り上げる春場所

          浜 松  中村 美代子
芝に小さな緑外仕事そろそろ
夜七時のニュース夫のこだわり
猫の居場所半分あったかカーペット
用事をつくらない日それが予定
合格写真す通りする予備校生 

          倉 敷  原  鈴子
春色を待って少女は飛翔する
葉の裏に隠れて藪つばき正座している
もったいぶって春は企みの袋閉じ
山茱萸の花色黄色は空に消える
ナズナの花小花メダカの訪れ
黄水仙たおれるほど頭でっかち

老いてやたら食べる春は来るのか 

          横 浜  平林 吉明
じょうずにこわれたいじいさん
こうなることはわかりきっていた
防犯パトロールの水色のみんなの帽子
矜持なく夢なく夜をうろつき回る
メガネ眠くなる読みかけのページ
菜の花の道もの忘れの優先席
夢ほころびはじめる辛夷の白い 

          西 宮  松田 慶一
日輪に手を伸ばす私朽ちていく
涙は雲となり私を溶かす雨となる
どうしようもないが生きてはいる
目覚めたら海鼠となっている
あれはきっと人魚です
手の中にある春の灯よ
蝌蚪の紐の先に薔薇が咲く

           横須賀  森  直弥
飴色の光りは鈍く肉豆腐
波ゆられ海藻らにぎわい春近し
てのひらに仏木彫の仏

           岐 阜  森   命
ウグイスに口笛でこたえる山裾川沿い
高齢者一人増えた階段の角度気にする君
春風に石投げ石積むジーとボーの川原
木にうぐいす水にカモ今日種を蒔こう
挿した菜の花にミツバチ来る彼岸
一日成しとげ月が傘かぶっている
チームメイトの顔のまま別れのUSJ 

           東 京  吉川 通子
時間止まったまま白木蓮紫木蓮
哀しいとか寂しいとか沈丁花ぶつぶつ
色薄い桜に埋もれあなたはいく
椿悉く落ちてこの赤い絨毯
ご飯食べなきゃ一人のご飯
ガス消したか鍵閉めたか写真の眼差し
昨日とは何か違う春の空 

           山 形  若木 はるか
さざんかのあしあとをたどる
空へ薄く影として山は吹雪
こなゆき風が巻く風を見る
明るい青だ春の空だね
梅いちりんもっと光らせてくれ
合掌辛夷さいしょのひとつ割れた
馬酔木ふくらむたくさんの夢の音

五月号作品 

                                         牛 久  高橋  毅
口先の安倍曰くアンダーコントロール
朝市のおばさん無事か燃えちゃった輪島
法に基づく脱税民は諦念天怒る
法治国家日本国会笊法造りに余念なし
立派なルール守らないダイハツ
政治に金がいる国民喰うや喰わず凍えてる
政治屋さん大地に根の政策を 

                                        東 京  中塚 唯人
カウントダウンにジャニーズがいない不可解なり
アロエの三角冬雲つつく雪だけはご勘弁
誰も来ない神社もあって紅白梅の咲く
足を傷め歩けなくとも腹の減りほろへる
  岡山二句
蝋梅咲いて備後の春は早いお目覚めで
夕日に赤く塗られても一碧樓の碧き冬海

          浜 松  中村 加代
新年穏やか明けた途端の大地震
松明け又独りになった蝋梅香る
孫の好物厚焼き卵レシピは甘め
おひねり舞った子供歌舞伎の三人吉三
新玉葱届いた春の味シャキッ

          倉 敷  原  鈴子
あす入院何も持たない冬すさぶ
全く最新のことばに迷走瞑想
若い医師に今日を任せる寒椿
冬草ひらたく絆を信じる
風になびく芒の穂フラダンス
畑土ふんわりスズナすずしろ
枯葉ふかれて鳥になりたがる

          横 浜  平林 吉明
老人ひとり池のほとり
各駅停車の冬に乗る
小さな乳房の主張するおんなの強情
夫婦喧嘩お箸とお椀とお正月
明日の来る感じのしない明るさ
ぬかるんだ冬の雑踏それぞれ残党       

          西 宮  松田 寛生
乳房の黒揚羽の呼吸する
冬蝶の死は燃えるゴミ
口開けて野鼠が死んでいる
神童と呼ばれし父を風呂に入れる
乾眠のクマムシは蝶の夢をみる
大寒の猫のふぐり縮む
考え事をして雪の終着駅

          周 南  三戸 英昭
山茶花の花びら風に舞い上がる
二人りで座るベンチに雪の華
風寒く二人で巻きたり君のマフラー
芝居観て帰る夜道の風寒し
首垂れて帰る野道の落ち椿
冬枯れの座るベンチの冷たさよ
夢語り二人で歩く並木道かな

          福 山  無   一
寒さにだらしなく鼻水
うずくまるように凍死した小蜘蛛をゴミ箱
拳ほどの石がわざとらしく車道
たき火の香ばしく氷雨
偉そうな家やらマンションやら増えてゆく
店主と客の女の話が終わるまで待たされる
なんと昔住んでいた地域でも大麻の事件

          横須賀  森  直弥
寒さにだらしなく鼻水
うずくまるように凍死した小蜘蛛をゴミ箱
拳ほどの石がわざとらしく車道
たき火の香ばしく氷雨
偉そうな家やらマンションやら増えてゆく
店主と客の女の話が終わるまで待たされる
なんと昔住んでいた地域でも大麻の事件 

           岐 阜  森   命
掃除のあと手品の如く出たなカメムシ
止まり木なくば肩を貸します元日の鳥
この部屋の此処カレンダーの適材適所
明けて窓見る子の顔雪ダルマに足らず
能登の寒い冬時をかまわぬ政界の混乱
おかわりします初観音の甘酒を
雨できた大寒眼鏡買い替える 

          東 京  吉川 通子
記憶あとかたもなく裸木の整列
今日が終わるグランドの向うの夕焼け
マフラー取り出す今朝一際青い空
哀しい顔だったかどこかの子犬が寄ってくる
西へ向かう鳥の列世田谷の空
苺のケーキ二つ一つ歳をとる
真っ直ぐ上がる煙り今日も働いている

                                        山 形  若木 はるか
霜の朝わたしの輪郭を質す
雪降りしきる紅いサザンカ白いさざんか
ジムノペディ粉雪ずうっと昔のある日の午後
三時は夕方北国の冬
路面きらきら凍る夜の街灯
雪だるま笑っている雪の消えた庭
もったいないこと捨てられないことあなたを縫いとめる針