近作玉什・巻頭

  【近作玉什】

  八月号作品より     中塚 唯人薦
         ー夏の入口ー
水溜まりあちこち雀来た晴れて来た     伊藤 三枝
未央柳(びようやなぎ)雨にうったえるまつげ 大西  節
雫たっぷり紫陽花ごちそうさま       上塚 功子
白いランニングきちんとラジオ体操     空    心   菜
夕ぐれの蝦夷たんぽぽに触れてみる     熊谷 従子
江戸城の天守閣まで見える夏       小早川すすむ
ヤマボウシの白には手も足も出ない     田中 耕司
梅雨入はアジサイに聞く          都丸ゆきお
紫陽花の白からはじまるいのち       原  鈴子
ドレミの雨降る街に繰り出そう       正木かおる
麦茶グラリと沸き迎える夏至        森  直弥
ユニクロは苦手バーコードの雨       森   命
月曜日がとても好きです夏帽子       森川 チヤ
ツツジまた散って梅雨の幕あけ       吉田 東仙
ヤマボウシとんがってきらり夏空     若木 はるか

【巻頭句】

 病院の夏                    浜 松  中村 加代
青田はさざ波この道湖に真っ直ぐ
見知らぬ同士が世間話検診の列に並び
被害目を覆う梅雨前線居残り
大雨浸水救助された人愛犬抱いて
好物は鰻と友は言う渋い暖簾
外来はどの曜日も混みナースの笑顔に救われ
良く見えると眼科術後の母我が手をしみじみ

 夏の反乱             福 山  無       一
あまく見た翌日ありえない大雨
大雨と避難指示にくるしんで夜
誰かたすけて氾濫のせまる
試しに流した水トイレに戻ってきた
ひどい豪雨からおそろしく晴れる
豪雨災害に蝉の子も逝った
ひとごろし豪雨災害の次は猛暑